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2021.11.05 インタビュー

更新:

キャリコンインタビュー 久保 美紀さん

IT業界が抱える人材に関する課題は、どのようなものがありますか?

IT業界はSIer、ソフトメーカー、ハードメーカー、運用保守、ソフト開発会社など様々な分野がありますが、業界全体の特色(他業種比較)としては、以下のようなものがあります。

  • 技術や機器の進歩が速く、日々成長を続けている
  • 若年の正社員を多く採用するが、その一方で、離職率が高い
  • 中堅層はスキルアップの手段として転職することにあまり抵抗感がない
  • メンタルヘルス不調により休業又は退職する割合が高い
  • 商流が多重構造(深い)で人間関係が複雑化しやすい
  • 就業場所が自社とは限らず客先常駐もある。(複数名で客先に常駐もあるが、1人だけで客先に出向き、別会社のITエンジニアから成るチームにメンバーとして入ることもある)
  • 開発のどの工程を担うかによって、仕事の中身が異なる

このような複雑かつ多様に変化していく環境で働いているITエンジニアはキャリア形成がしにくく、ストレスを抱えやすいと言われています。

特にリーダーや管理者は、部下育成とプロジェクト遂行を同時進行させることの難しさとユーザーから納期厳守 ・ 品質保証 ・ 採算管理等も要求されるなど、負荷がさらに高くストレスを抱えやすい環境にあります。

それらの課題を抱えるIT業界をキャリコンとしてどのように支援されていますか?また支援していきたいですか?

キャリア面談や階層別のキャリア研修を通じて、普段なかなか話すことができない自分の想いや抱えている悩みなどを“見える化”してもらい、時には周囲と共有し一緒に考えて頂きながら、整理していくお手伝いをしています。

ITエンジニアは、自律的なキャリア形成のために継続的に学ぶことが求められていますが、学び直しやスキルアップに消極的で、自身のキャリアに対する当事者意識が希薄な人が少なからず存在します。

彼らに時代や雇用の変化について知って頂き、キャリア転換に向けて学びの必要性や、自律的キャリア形成に向けた働きかけをとおして、新しい働き方や生き方を考えて頂く支援をしていきたいです。

私のこれまでの知見、経験、成功談や失敗談から、できる限りのアドバイスをさせて頂き、自分らしい生き方、働き方を見つけて、所属会社でさらに生き生きと働いていけるようになっていただきたいと願っています。

なぜ「女性向けの社外メンター」になりたいと思われたのですか?

振り返ってみると、私がいた会社は女性が1割程度で、ロールモデルもおらず、相談できるメンターもいない状態で必死に走り抜けてきました。

私が走りぬくことができたのは、周りの人の支えがあったからですが、同じ保育園に通うお母さん方と同じような悩みを共有できていたからかもしれません。
そういう利害関係のない存在の大切さを経験したからこそ社外メンターになりたいと思いました。

「女性向けの社外メンター」としてどのように関わっていきたいとお考えですか?

メンターとなった今、結婚、出産、育児などライフイベントと共にキャリアを積んできた経験から、かつての私と同じように悩みを抱えている次世代の女性に向き合い、お話を聴くことで、一人でも多くの方に、中長期のありたい姿やキャリアの目標をみつけて頂き、「必死に」ではなく「楽しく」「心豊かに」キャリアを築いていただけるよう寄り添いたいと願っています。

仕事の位置づけや価値観は人それぞれだと思います。
これから出産や育児を迎える方には、今しかない大切なこの瞬間、他の人と比較せず、できることに一生懸命に取り組んで、焦らず一歩一歩キャリアを築いて!とエールを送りたいです。

女性に限らず、個々人の抱える環境を理解し、寄り添う風土造りを心がけることが、様々なロールモデルを創り上げる近道かもしれないと考えています。
最近は女性社員を部下に持つ男性管理職の方のメンターも担当しています。

キャリア形成に関しては、メンタリングや1on1での個々人の気づきをトリガーに、本質的な部分を変えるために組織にも気づきを促していかないと解決できない事が多いと思いますので、まずは支援役として活動しながら、将来的には組織開発にもつながることを望んでいます。

これまでできる範囲でやってきましたが、海外と比べて女性管理職が少ない日本の現状を打破するために、ジェンダーギャップを解消する取り組みにももっと関わっていきたいですね。

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DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代におけるキャリアについてどの様にお考えでしょうか?

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