今回は、『キャリアコンサルタントの歩み方6』の著者の一人であり、北海道札幌市の企業で業務と並行してキャリア相談員業務を行いながら、キャリアコンサルタントとして女性活躍推進の活動しておられる、彩(irodori)キャリアの山田 彩子さんよりコラムを寄稿いただきましたので、掲載いたします。
また山田さんは、「北海道Mimosa(ミモザ)プロジェクト」の代表も務めておられます。
皆さま、初めまして。
北海道札幌市で企業勤務をしながらキャリアコンサルタント活動を行っている、山田彩子と申します。
私は生まれも育ちも北海道。
地元の短大卒業後、社会人生活をスタートさせ、様々な組織を広く経験してきました。
現在は、メーカー企業で総務・採用・人財育成と並行して企業内でキャリア相談員業務を行いながら、「等身大の女性活躍」「じゃない方の女性活躍」を謳った、異業種協働の女性活躍推進コンソーシアム「北海道Mimosa(ミモザ)プロジェクト」を2021年から約5年運営し、代表を務めています。

ジェンダーロールに縛られた「じぶんの在り方」
私は現在50代も半ばに差し掛かるいわゆる「団塊ジュニア」世代です。
「女性は早く結婚し子供を産んで、夫を支える」「男性はバリバリと出世をめざし家庭を顧みず家族と組織のために働く」といった今では時代錯誤といわれるような在り方が、多くの人が当たり前と思っている世代でもありました。
私も親が「女性の幸せ」と考えているとおりに年齢を重ねていくものと考えていましたが、結婚後子供を授かることができず、仕事の方も細切れのキャリアが続く中で年齢を重ねても昇進には程遠い状況でした。
母としての役割も無く、バリバリのキャリアウーマンでもない。
そんな“キャリアの迷子”であった経験から、最初は“自分探し”としてキャリアを学びはじめました。
学びの中で「キャリアには正解はなく、その人の捉え方次第」であることを知り、資格取得に向けての仲間とのロールプレイングやフィードバックから、自分自身が女性のキャリアの成功=子供を産み育て、昇進していること=スーパーウーマン型の活躍女性であるという思い込みに捉われていることに気づきました。
そしてその思い込みこそが自分を“キャリアの迷子”にしている要因であることにたどり着きました。
さらに掘り下げると、結婚し、子供を産み、育て、家事介護をも担いながら管理職を目指すこと=女性活躍推進であるならば、そのルートを歩んでいない自分が、「あるべき姿(=活躍女性)」とのギャップに苦しんだともいえます。
キャリアの迷子から辿り着いた「等身大の女性活躍」
この気づきは、同じモヤモヤを抱えている女性や、後に続く若い世代の女性にも何か役立てられるのではないかという思いが、その時はまだ漠然と湧いている程度でした。
その後、40代も半ばを過ぎキャリアチェンジを視野に入れながら、組織の外に出て様々な女性活躍推進イベントやワークショップに参加するなど、女性のキャリア形成に関する知識や情報を集めながら資格を活かす方法を探索していました。
沢山の異業種で働く女性との出会いや、様々な環境で働く現実に触れるうち、私のような「活躍女性のど真ん中」を歩んでいない存在は決してマイノリティではなく、むしろ地方で働く女性の隠れた課題であると気づき、この考えに共感する仲間があつまり「等身大の女性活躍」を掲げた異業種協働女性活躍推進プロジェクトを立ち上げることになりました。
女性活躍推進といえば子育てをしながらフルタイムで働き、管理職を目指す。
スーパーウーマンをめざすスタイルの「女性活躍推進」が主流の中、その対象とならない女性。
地方では「女性管理職候補生」が潤沢に輩出される都市部とは異なり、地方特有の根強い性別役割意識も相まって、男性が仕事でのメインの役割を担い、女性はサポート的役割を担うことが主流であり、加えてそのサポート業務は正社員から非正規社員に置き換わるといった不安定な雇用形態が今も当たり前の光景です。
加えて時代の急速な変化もあり、いまではサポート業務自体を自組織の外へアウトソーシングいく流れもあります。このアウトソーシング先での就業、また販売業やサービス業の非正規職雇用であった場合、最初から管理職候補のルートに乗っていない女性が多く存在しています。
地方にこそ必要な「じゃない方」の活躍
さらに地方では前出の性別役割意識が今なお根強く残っているため、外で働く以外でも家事、育児、介護などのケア労働に追われ、自分のキャリアに向き合う機会を得ることもなく、ひっそりと自己効力感や働くモチベーションを下げていく事例も日常的に見聞きします。
長く組織で働き、経験を重ねても自分自身がその価値に気づかず、組織の中でも評価されない状態が続くことで「私なんてどうせこんなもの」と未来の可能性を諦め、言われたこと以上の仕事をしない「静かな退職」を選択する人も少なくありません。
一方で若い年代の女性は「私はあんな風にはなりたくない」と古い性別役割意識に縛られる地方のワークとライフに絶望し都市部へ出ていくことを選択する。
もしくは「自分もあんな風になっていくのか」と「負のロールモデル」に絶望し、自分の未来の可能性をはじめから低く見積もってしまい、早期離職をまたはこちらも静かな退職を選択してしまう。
そんな女性活躍推進のメインストリーム「じゃない方」の女性たちが、自分たちの未来を諦めることなく同じように働く女性が色々なフィールドで自分と同じように毎日懸命に働いている。
そんな別々の場所にいる仲間の存在を互いに知り、「つながり」を持ち、自分自身を「開く」ことで、未来のキャリアを切り「拓いていく」そんな場づくりや学びの場づくりをプロジェクトでは行ってきました。
プロジェクトのコアメンバーには国家資格キャリアコンサルタントが既に4名活動しています。
昨年は「静かな退職」や「若手の早期離職」をテーマにしたイベントも開催しました。
これからも、スーパーマン、スーパーウーマンでなくても様々なフィールドで「等身大の活躍」ができる、そんなメッセージを一人でも多くの働く仲間たちに届けられるよう、キャリアコンサルティングへの理解拡大と実践的な活動を行っていきたいと思います。
コラム著者











