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2020.08.26 インタビュー

更新:

キャリコンインタビュー 天野 裕介さん

医療分野に携わる中で直観的に「これだ!」と感じる何かがあったのでしょうか?

そういう発想とは逆でした。
人材紹介会社の社員時代になかなか看護師や専門職が採用できない、3年間応募がゼロというお客さんが多く、それは組織的な問題なのか、社会的な問題なのかを考えていく中で、逆に「自分のアイデアで何か変えていけるのではないか」と思ったことですね。

また別の人材紹介会社へ転職活動していた際に「人材紹介は向いていない。医療法人で採用担当をやる方が性格的に向いているのではないか」とアドバイスをもらって、医療法人の事務長に方向転換をしていった感じです。

医療分野の人材に関わる際にキャリコンとして意識しておられることはありますか?

法律が絡むような、健康保険の内容・保険点数などは改正・改定されることがあると、業務内容や働き方も変わってくるためアンテナを立てて最新の情報をアップデートするようにしています。

例えば現時点で歯科医院での管理栄養士の栄養指導業務は、保険対象にはならないですが、今後何らかの形で対象になるだろうと言われているので、そのあたりの法律はしっかり見ています。

また管理栄養士の多くは医療人として活躍したいという方が多いので、管理栄養士という資格制度を理解するように心がけています。
管理栄養士が歯科医院で採用される場合、なかなか専門的な仕事が無く、歯科助手の延長として働いているのが現状です。

歯科医院に対しては、管理栄養士という資格を尊重頂くよう働きかけ、管理栄養士に対しては、能力・知識を活かせるように歯科医院へフィードバックをしていくように働きかけています。

そして私自身が医療資格を取得していないので、歯科や管理栄養士を取り巻く業界を客観的・俯瞰的な視点で見ることも心がけています。

歯科医院で働く管理栄養士と歯科衛生士の男女比など、現状をもう少し詳しくお聞かせください。

管理栄養士は女性が多く、男女比が1:7とか1:9とも言われています。
資格を活かして管理栄養士として働いているのは50%以下と言われています。

また歯科衛生士も女性が圧倒的に多く、50%くらいが資格を活かして仕事をしています。
どちらも資格を活かしていない場合は、専業主婦や関係のない職業に就いています。

そして結婚・出産・育児などでキャリアの分断が起こりやすい業界と言えます。

女性の管理栄養士や歯科衛生士がキャリアの分断なく仕事をしていくためにはどうしたら良いとお考えですか?

歯科業界全体で育成の考え方や組織体制が変わらないと厳しいと思います。
少しずつ改善はされていますが、結婚・出産・育児のバックアップ体制が整っている看護師と比べてみると、体制はまだまだです。

「結婚したら辞めてくれ」、「妊娠したら辞めてくれ」という相談も多くあります。
大きな医院であれば、産休育休制度や時短勤務を整備し始めているところもありますが、歯科医院のほとんどは歯科衛生士と管理栄養士を合わせて3~4人の規模の個人クリニックです。

そういった環境で結婚・出産・育児となると退職するしかない。
その上、歯科衛生士については、法律も技術も3,4年経つと大きく変化し、子育て中に技術や知識をアップデートする機会がほとんどありません。

看護師のように勤務先でのバックアップ体制を整え、分断なく継続したキャリア構築ができるように考えていく必要があると思います。

歯科医院の採用支援・キャリア支援の具体的な活動内容を教えてください。

主には、スカウトメール送信などの採用支援と歯科医院で働く管理栄養士の専門分野の研修を行っています。

その他、院長先生やスタッフのヒアリングを行いキャリアプランの作成や、オンラインでの面接の仕方などをアドバイスするコンサル業務を担当しています。

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これまでの医療分野のキャリア支援のお仕事と並行して、現在は大学のキャリアセンターでもお仕事をされていると伺いました。

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