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2020.11.12 インタビュー

更新:

キャリコンインタビュー 本木 和子さん

今回は、外資系企業の人事責任者として豊富な経験を持ち、2年前にキャリアコンサルタント(以下、キャリコン)として独立し、企業と働く個人の支援を中心に活躍されている本木和子さんに、企業領域で必要とされるキャリコンの役割や現在のお仕事などについてお話を伺いました。

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これまでのご経歴を教えてください。

男女雇用機会均等法が施行された1986年に、外資系半導体メーカーの秘書として社会人生活をスタートし、結婚・出産後も正社員として働き続けました。

30代半ばで夫の転勤に伴い退職し、家族で渡米しましたが、帰国後の仕事に役立てたいと考え、アメリカの大学で心理学とマネジメントを学びました。

帰国後は外資系化学品企業で人事スタッフとして働き、その後2社の米系企業で約13年間人事部長として勤務しました。その間非常に濃い時間を過ごしましたが、より多くの企業を幅広く支援したいと考え、2018年秋にキャリコン、人事コンサルタント、そして企業講師として独立開業し、今日に至ります。

独立をされた理由をおきかせください。

外資系企業での人事部長としての仕事は、自分のそれまでの経験や知識がフルに生かせる仕事でやりがいもありましたが、継続的にM&Aや事業規模の変更もあり、元々守備範囲も広かったので、心身に大きな負担となり限界を感じていました。

そんな中、3年前に転居した小田原市で通い始めた起業スクールでの学びを通して、“起業することは大きなチャレンジだけれども、私にとって次のステップになるのではないか”と考えました。

そして、独立するのであれば自分の好きなことを第一に、と思ったのです。前職での研修講師やファシリテーター、社員面談の豊富な経験を活かして、多くの組織のリーダー・企業経営者の方が抱える“人に関する課題”の解決を、企業外の人事コンサルタント及びキャリコンとして手伝おうと考えました。

金銭的な報酬よりも「本木さんのおかげで課題が解決した」と言ってもらうような“心理的報酬”を得たいと考えました。また認定トレーナーをしている“DiSC®(行動特性を分析する自己理解のツール)”を広く知ってもらい、組織・個人の両面で活用したいという強い思いもありました。

DiSC®についてもう少し詳しくお話いただけますか?

世界で6000万人以上の人が使っている自己理解ツールで、組織力を高めるためのコミュニケーションツールです。アセスメント(行動分析)を受けると、結果は、4つの基本スタイルの強弱バランスで表現され、自分の行動における優先事項や好み、他人との違いについて、非常によく理解することができます。

自己理解のツールは色々あると思いますが、初めてDiSC®のレポートで私自身が自分の結果を見た時にとても納得ができ、腹落ち感が凄かったことを覚えています。(DiSCはJohn Wiley & Sonsが著作権を所有し、HRD株式会社が日本語版開発および総販売代理権を有しています。)

産業カウンセラーをお持ちですが、キャリア支援の資格を取得されたきっかけを教えてください。

産業カウンセラー資格は2000年に取得しました。当時住んでいた横浜で女性向けのキャリアアップセミナーがあり、講師でいらした臨床心理士の宮城まり子さんの講義を受けたのが、カウンセリングや心理学の分野を意識し始めたきっかけです。

受講生仲間から産業カウンセラー資格のことを初めて知りました。その後、宮城さんが当時教えておられた大学に通ったりして多くのことを学びました。宮城さんは、私にとってとても影響力のある大きな存在です。

また、アメリカの大学でも心理学や人事に関する実践的なことを学び、帰国後、日本産業カウンセラー協会のキャリアコンサルタント資格と、日本キャリア開発協会認定のCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格を取りました。

それが今、国家資格キャリアコンサルタントになったことに繋がっています。それまで様々な環境変化がある中でも働き続けてきましたが、色々な考えが沸き起こっている時期でしたし、自分のキャリアの後半戦について考える意味でもぜひ学びたいと考えてのことでした。

アメリカに滞在している間に出会ったキャリアカウンセラーの影響もあると伺いましたが、具体的にはどのような影響を受けたのでしょうか?

近所にあったコミュニティカレッジ(単科大学)から送られてきたダイレクトメールがきっかけで、2001年1月にキャリアカウンセラーという職業の方に初めて出会い、カウンセリングを受けました。

その時感じたのは、「会話が心地いいなぁ」、「カウンセラーという職業ってカッコイイ、素敵!」でした。

キャリアカウンセラーの方から「これまでの経歴」、「今後何がしたいのか」などについてオープンクエスチョンで尋ねられたことによって、自己洞察が深まり、今後の方向性が見えてきました。

そして何よりも前向きな気持ちにもなりました。

渡米直後で、この先自分のキャリアはどうなるのだろう、ととても不安な時期でした。そういう時期に、この出会いがあったのは運命でしょうかね。帰国後にキャリコン資格を取得し、今に繋がっていると思っています。

キャリコンに求められる資質や必要なスキルはどういったものだと思われますか?

人の支援をするために必須のスキルである傾聴や寄り添うといった態度はもちろんです。しかしそれだけでは不十分だと思います。

なぜなら、特に企業領域で活躍するキャリコンは、相談者に行動変容を促すこと、経営者には影響力を行使することが求められているからです。

キャリコンからの質問によって相談者は洞察を深め、真の自分に気づき、あるべき方向に向かって行動の変化が起こることが大切です。

相談者がそこに到着できなければ“本当のキャリアコンサルティング”になっていないと思います。相談者が一歩と言わず半歩でも前に進んで頂けるようにするのがキャリコンである私に求められている役割だと考え、真剣に向き合っています。

キャリコンとして、どのような人たちに、どのような支援をしたいとお考えですか?

働く人たちを支援したいと考えています。その中で最も力になりたいのは、企業で部下を持つ管理職の方です。

働く人たちの問題を聴いていくと、組織に課題があったり、上司がしっかりと部下をケアすることができていないことが多々あります。

上司のほうも、部下に能力を発揮してもらうためにどう働きかけたらいいか、など、適切な関わり方が分からない、と悩んでいる管理職が多いようです。

管理職の方が、そういう力を向上するのを可能にするように研修をとおして支援したいと考えています。社内の人間が講師をしている研修では人事などの目が気になり、自分の弱いところを見せられない人が多いと聞きます。外部の人間として何の遠慮もせず、心を開いて受けられる研修を提供していけたらと思います。

キャリコンは、企業内に必要だとお考えですか?またその理由を教えてください。

企業にはぜひキャリコンを外部専門家として契約し、ご活用頂きたいと思います。社員や管理職の方が、必要な時に専門家にすぐに相談できる体制がとても大事だと考えます。

社内の人がキャリコンとして相談を受けている企業もありますが、やはりキャリコンは組織から独立しているのがよいと思います。組織に雇用されておらず、伝えるべきことを伝えることができる健全なパートナーといったところでしょうか。

キャリアコンサルタントとして、経営者の方に知って欲しいキャリア意識醸成の重要性と、経営者としてすべきことはどんなことだとお考えですか。

まず経営者の方には、従業員それぞれの働く理由や想いをよく知ってもらいたいと思います。

そこを理解した上で、一人一人がその組織に留まり、自分の力を発揮したいと思うポイントを見つける努力をして頂きたいのです。そして会社が従業員の能力開発を重要視していることを明確にすることが大事です。

管理職が部下を適切に鼓舞でき、能力開発に主眼を置いた、人事評価ではない面談ができるような環境を整備するべきではないかと思います。

今後より一層キャリコンに期待されることはどんなことだと思いますか。

自分のキャリアに興味を持ち、自律的にキャリア開発を行っていく“キャリア自律”の重要さをもっと広めることです。

企業に属していることが安泰ではないこと、生きていくためには学び続けることや、環境に対応して自分が変わらなくてはいけないこと、などを改めて伝えていく必要があると思います。

現在のようなコロナ禍において、キャリコンは一番頼りにしていい存在のはずです。

そのためにキャリコン一人一人が、“キャリア自律”のお手伝いができることや、自らの活動や想いについてしっかりと発信していく必要があると思います。

そして働く人に対しての個別キャリア面談のほかに、組織の経営者などへキャリコンとしての影響力を行使していくことこそが、期待されていると思います。

キャリコンの存在が当たり前になっていくためには、どうしたらいいとお考えでしょうか。

難しい課題ですね。キャリコン資格取得者が最も期待することであり、かつ最も難しいと感じていることではないでしょうか。

一つの課題として、キャリコン資格を持っていてもキャリコンとして活躍していない、或いは名乗っていない多くの“隠れキャリコン”の存在があります。

地方で活躍されているキャリコンの方の中には、長年「私は顧問キャリコンと名乗っている」と仰っている方がいますが、資格を持っている全員が同じように名乗ってもよいのではないかと私は思っています。

そして相談者を待つ受け身の姿勢ではなく、相談室から外に出てもっと能動的に動き、相談業務以外の研修講師などキャリコンの仕事理解を促し、個人にも組織にも影響を与えることができる大きな存在であることを証明していくべきだと考えています。

貴重なお話を聴かせて頂き、ありがとうございました。


インタビューを受けてくださったキャリアコンサルタント

本木 和子

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